必要な鍵

懐中電灯

江戸時代の日本において鍵というのは象徴的な意味を持つことは有っても、ほとんどの場面で防犯として実用的な鍵は使われていませんでした。 というのも、当時は鍵というからくり一つ取っても高価な物であり庶民は買えませんでしたし、いたるところに番所などがありましたし治安も良い場所が多く、また長屋暮らしで近所の監視が聞いているため庶民はほとんどの場合錠前を必要としない暮らしでした。 それなりに資産がある庄屋や商家などの場合、使用人などが一人はいたため内部からの閂などで対応していました。 当時鍵や錠前が主に使われていたのは倉に付ける事で所有者を明確にしたり、大奥の錠口のように権力者を表すものに使われるなど、象徴的な意味合いが強い物が多く、実用品としては難点が多い物も多いのですが美術品として高い評価を受けています。

現代において鍵というのは防犯の為に取り付けられるのが大半であり、最終目的として「何かを守る為」に存在する物が大半です。 その為、鍵が生まれた当初から「所有者が意図しない開錠」と「所有者が意図しない開錠をいかに避けるか」という争いがあり、それは現代においても続いています。 その実例として判り易いのが車に使われるイモビライザーです。 イモビライザーというのは、鍵内部に登録されている数字と車体に登録されている数字があわないとエンジンがかからないという「電子的な鍵」であり、第三者による複製や開錠は不可能とされてきました。 しかし現代ではイモビカッターと言われる道具を使えばイモビライザーを誤魔化すことが出来る事が判っており、イモビライザーがあるからと言って安心できるわけでは無くなっています。 このように鍵の技術が向上すると同時に開錠技術も向上するというのが繰り返されており、これは今後も続くと思われます。